映画『響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~』 元吹奏楽部によるちょっとした感想
『劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~』公式サイト
元吹奏楽部のアニメファンにとっては、このアニメ放送が決まった時のワクワク感は中々のものだったのではないでしょうか。
1話でダメ金を取るところから始まる。この時点で「ダメ金!あるある」になるわけです。用語感満載なのですが、丁寧な説明で正しい情報を伝えていくところにも好感が持てます。
さて1話の時点で「ダメ金で当然」という主人公・久美子と、「ダメ金で悔しい」という麗奈の対比がしっかりと描かれるわけです。吹奏楽部としての成長と、久美子の成長譚という二つの視点で楽しめるということが提示されます。
忙しい人のための響け!ユーフォニアム
アニメ放映時は非常にわかりやすい構成だったからこそ、途中だれてしまう回もあったかと思いますが、だからこそこの映画は素晴らしい。
2時間の中にテーマを圧縮し、美味しい青春のラムネ味の横道はきちんと描く。素晴らしい総集編だったかと思います。
特に山に登った時の麗奈の美しさは異常。これは久美子も圧倒されますよね。
しかしこの作品の凄いところは、途中まで普通の青春物語で進むのかと思いきや、途中から百合臭がプンプンするところ。葉月の不遇さ…秀一のいる意味。一応青春ものという皮をかぶった部活・百合ものというアレですね。
総集編と言いながら、演奏シーンはかなりカット追加がされていたような…
1×年前に吹奏楽部だった私が感じたこと
・合奏中のパート指摘の心臓の痛さ
途中でユーフォだけ吹かされる場面がありますが、あの心臓の痛さ。結果として、久美子は「吹かなくていい」と言われます。わかる!わかりすぎる。
私の場合はTrpだったので<鳴らんペットはイランペット>と非常に面白くもない不快度120%のお言葉をいただき同じような状況になったことがあります。
このシーン、心情としては非常にわかります!本作品の素晴らしいなと思った点は、このあと滝先生が「あの部分きちんと練習しておいてくださいね。全国では吹いてもらいます」とフォローしてくれたこと。あの一言だけで、多分久美子は救われたのではないでしょうか。
・ソロトランぺッターは1stではない
私の高校では、実力順に1st>>(越えられない壁)>>2nd>>>3rd・4thと分けられていました。ある程度上手くて高い音が出れば1stになるのですが、チューニングbから1オクターブ上のb。更にその上までプープー出してしまう実力派なんて中々いなく、1stは実力者の不動の席となっていました。
香織先輩と麗奈の実力はオーディションでも歴然の差。席順から見ると香織先輩が1stで麗奈が2ndに見えました。これだけ実力主義のこの部において、ここだけ学年的な温情だったのでしょうか。
・マイマウスピースを買わない
あくまで自分の学校基準ですが、大体どの楽器の子もマウスピースは持参していたように思います。中学時代にがっつりやっていた経験者たちも、練習がはじまってもマイマウスピースを持ってこないので不思議でした。
・つば抜きしない
木管楽器の掃除はするけど、金管楽器の掃除はしない。やっぱり見え方が悪いからでしょうか。可愛いハンドタオルをつば抜きにしていました。今考えれば勿体ない。
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・マーチングの衣装はあるのに、演奏会用の衣装はない
私の所属していた吹奏楽部はマーチングはなかったのでわからないですが、演奏会用の衣装がありました。女子高だったからでしょうか。
当時のコンクールでは色々な学校を観ましたが、独自のユニフォームを用意している学校も多く見受けられました。男子校は制服が多かったような…
自身の所属していた部活が基準になっているので、「何を言っているんだ」の部分もあるかと思いますが…
久美子に当時の自分を重ね、悔し泣きをしてしまったのは内緒です。
映画を見て悔し泣きをしたのなんて、はじめてw