生き方が雑

何者かに為れるかと思ったこともあったけど、ただ平凡にごくごく普通に生きていくガール()の日々をつらつらと書いていきます。サラリーマン。食べ歩きが好き。毎日それなりに楽しく生きてます。

ミュージカル『刀剣乱舞』〜結びの響、始まりの音〜 超雑感

刀剣乱舞というコンテンツに触れる機会はここまでも多かったんです。

 

  • ゲームもやりました。(初期刀は加州清光。すぐにやめました)
  • 鈴木拡樹くんが出演していたので舞台もライビュですが鑑賞しました。(仕事の関係で遅刻しました)
  • コスに誘われたのでやりました。(ウィッグを使いまわせるからと、愛染国俊やりした)
  • アニメ花丸も見ました。可愛かったです。(アニメ離れしていたせいもあり、ながら見で完走した結果OP曲を歌えるようになったことと、鈴木拡樹くんの三日月と、東啓介くんの燭台切りは声をそっくりに作り込んでたことしか分かりませんでした)
  • アニメ活劇も見ました。凄いクオリティでした。(ufotable制作のお陰で、蜻蛉切がサーヴァントにしか見えませんでした)
  • ミュージカルもdアニメストア の配信で見ました。面白かったです。(テニミュキャストの成長物語として見てました。いまつるちゃん…)

 

この心無い私が。

堕ちました。

 

ミュージカル『刀剣乱舞』〜結びの響、始まりの音〜

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生の力の恐ろしさ!!コンテンツのパワー!!

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生に触れなければこの図の見込み客だったままの私が、一気に固定客になりました。ファンなんておこがましくて言えないっ///

 

自分の興奮を留めておくためにも簡単にむすはじレポをしようと思います。元々信者ではないので、不快な表現や知識不足な面もあるかもしれませんがご容赦ください。

 

友人がチケットを余らせてしまっているという連絡が発端でした。dアニメでミュを、完走したところだったので、興味は高まっていたので二つ返事で了解しました。

 

ペダステに一緒にどっぷりハマり、鈴木拡樹くんと廣瀬智紀くんの沼に浸かった友人を誘っていってまいりまた。

 

■入場から開演まで

TDC2バルセンター。全体を俯瞰できて、なかなか見やすい位置。

ウチワ必須なのかと思うくらいの所持率。80%を超えているのでは?しかもデザインめちゃめちゃ凝ってる!なんて話をしていましたが、この時はまさかあんなことになるとは…

 

 ■1幕

※ストーリーは青文字記載します

 

 坂本龍馬が暗殺されるところからスタート。命の灯が燃え尽きるとき、その他には陸奥守が…

 

血糊が襖に飛び散る演出は、髑髏城と同じような時間が経過すると消える特殊な血糊かな??

坂本龍馬を襖に押さえつけて首を刀で落とすシーンは一瞬ではあったけれどかなり力が入っていました。本当に周りの役者さんたちの熱量も素晴らしい。

 

しかし、かつての主のそんな姿を見た陸奥守は至極冷静。逆にその様子を見た和泉守は理解ができずに苛つきを覚える。

そして、帰還した巴形は初出陣だったということで感想を求められる。

陸奥守の言うことは理解ができない。和泉守のべらんめぇ口調というか、あの話し方も難しい」

 

巴形薙刀はアニメに出てきていなかったはずなので、私はここではじめまして。キャラについては全くの知識ゼロ。優美な方なのね、と。

最初、この理解できないが感情の話しかと思っていたんだけど、単純に話し方についてだったということが、キャラが掴めてから分かりました。

 

巴形の優美さをここでご覧ください。

 

丘山さん私と同じ学年なのに、、こんなにテンション高いとか笑。帰国子女感愛おしい。

私はそもそも、所謂モーヲタというやつでして、「誰と誰が仲良い」みたいなハコモノ感とか、プロの顔と素の顔のギャップに弱いんです。

 というか、彼は佇まいから歌声身のこなしまで他のキャストとは一線を画していて。納得のブロードウェイ出身!実力だけでなく動画のセンスも抜群、何より2部のファンサが持ち前の明るさから?神がかっていて、今回一番審神者の心臓を鷲掴みした気がしています。

 

 堀川国広と大和守安定が二人で手合わせ。そして、見守る長曽袮虎徹。お互いにいつもと違う相手との手合わせは新鮮、という話になる。

 

 二人ともあまりにも運動神経が良いのか、太刀筋が速い!!かわいい!!

前回まで堀川は小越勇輝くんだったんだけだ、今回からは阪本奨悟くん。6代目と4代目のリョーマですね、わかります。

リョーマの手癖ではないと思うんだけど、二人とも発声とかセリフ回しとかにどこかリョーマみを感じるのは気のせいでしょうか。アルミン役でお帰りなさいになることかと思ったら、今回の国広でのお帰りなさい。本当に変わらず可愛いし、歌が上手い…

私が勝手に感じている傾向ですが、刀ミュは歌ウマさんにパート割が多いように感じており、今回圧倒的に堀川国広と巴形薙刀だったように思います。歌を牽引していた!2部も唯一ソロがあったような?!

 

 

そこに戻ってくる3振。戻るなり、豪快に笑いながら去っていく陸奥守。そしてそれを見て納得が行かない和泉守。理解が出来ない巴形。

陸奥守と長曽袮はかつて共に出撃したことがあったらしく、その時を思い出して、長曽袮は大和守に「陸奥守は誰かに似ていないか?」「豪放磊落、懐が深く細かいところに気を配れる。近藤勇に似ているのではないか。陸奥守のかつての主、坂本龍馬もそういう人柄なのでは」と語りかける。

近藤勇坂本龍馬が出会っていたら歴史は変わるのかもしれない…」とひとりごち、いけないいけない!という大和守に「想像するのは自由だ」と優しく言う長曽袮であった。

 

ここは演出の妙で、かなり分かりやすくキャラの性格立ち位置が出来たのでは?

そして、最後の大和守と長曽袮のやりとりは前作を踏まえてってことだよね。こらは胸熱でした。

このシーンの最後の、「長曽袮さんも近藤勇に似ている。器が大きいところと、繊細なところ」のあとの「大和守も沖田総司に似ているぞ」に対する大和守の「どこがっ?!」は正直めちゃめちゃ可愛かった。見た目、と言われた後のアドリブも鳥越節が全開で、それはもうw

 

私の知ってる鳥越は主にペダステなので、イコール鳴子小吉でした。

「目立ちたい」と18歳で劇団に入って、ほんとに目立っちゃうなんて。そして恐ろしいほどのコミュ力おばけ。ただの鳴子じゃん!!と私の中の彼はそんな感じでした。大和守安定はグイグイくる感じは存外あのままに、小動物みたいな可愛さを大幅に加えた感じ。あざといなぁ、鳥越あざといなぁ。

空気読みが死ぬほど上手い方なんだろうなぁと勝手に思っており、そういう意味で客席が求めてるアドリブを適切に放ってくれるんだろうなぁと役者としてあまりにもクレバーな彼に改めて唸らせられました。

あの勝気で全開笑顔の悪ガキみたいな鳴子がこうなるんて…役者すげえ。

 

 

一人三日月を見上げて歌を歌う陸奥守。そして、そこに訪れる長曽袮。和泉守に誤解されてるのではと伝えるが、特に取り合うわけではない陸奥守。

 

月はずっと三日月。完璧な物語ではない、欠けているという表現なのでしょうか。

長曽袮とむっちゃんはマブダチみたいに描かれていました。懐の広さというか、成熟みを感じさせる二人の語らいはグッとくるものがありました。

 

ここから先はもうストーリーを追うのをやめようと思いますww一生書き終わらない笑

 

今回は、土方歳三の刀である和泉守兼定堀川国広がメインのストーリーを担い、そこに相対するのが、異なる思想を持ち多くは語らないけれど心を掻き乱す陸奥守吉行。ストーリーテラーの大和守安定・長曽袮虎徹

そして、ストーリーを持たない巴形薙刀による「物語を持たない刀」の物語、そして人間達の物語と大きく3本が同時に展開されます。

 

毎回人間陣営はかなり良いキャスティングだと思うのですが、今回ストーリーの肝になる土方歳三役高木トモユキさんは幕末天狼傳からの続投。この方が、あまりにも良い演技をするんです。足の引きずり方が、

近藤勇の首と対峙した時に「かっちゃん…」と首を搔き抱く姿は胸を打たれました。

 

幕末天狼傳を見返して思ったのは、あちらの作品での近藤勇沖田総司との別れは「新撰組隊士として」であって、ここであえて名前を呼ぶのは、友人としての別れを表しているのかなと。

2年近くの時を経ての公演だったと思うのですが、近藤勇役郷本さん沖田総司役栩原さんの想いも共に舞台にあがったというようなことをブログに書かれていて、私は本当に幕末天狼傳の直後かのような臨場感を受けていたので、役者って(以下略

 

足を引きずるシーンの体重移動、身体の使い方は素晴らしく、一人『ガラスの仮面』劇中劇「白い青春譜」での北島マヤを思い出していました。多分誰にも伝わらない。

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この作品の素晴らしいところとして、刀剣乱舞」というあまりにもキャッチーで、イントロだけで血湧き肉躍るテーマソングを持てたこともあると思う。

 

この曲のイントロが流れると、客席のオタクもとい審神者の背筋はピッと伸び、改めてこの世界観に引き込まれる。もはやパブロフの犬である。ここで殺陣と共に各刀剣男士の紹介が行われ、審神者の語彙力は奪われる。ただひたすらカッコイイ。

この曲に入る前に一人ずつセリフを言うんだけど、むっちゃんの天真爛漫な「にゃあ」は反則ではないでしょうか。

 

巴形が隊長に命じられた時、兼さんが「へぇへぇ、副隊長でいいのかな」と決め台詞。そのセリフを言った後の堀川が可愛すぎて昇天するかと思った。ウロ憶えではありますが、ちょこちょこっと走ってきて兼さんの横で「かーねさん❤︎お手伝いなら僕に任せて!」と言うだけ言って元の位置に戻るという名助手ぶり。兼さん担の審神者の皆様は、ここら辺で兼澤くんとしょご広の堀川はセットで推すことを心の奥底から誓ったのではないでしょうか。

 

遡行軍と相対する際に、巴が「これが物語を持たぬ者の成れの果てか」と独りごちます。「物語を持たない巴形薙刀だから」自分とそこにいる遡行軍と何も変わらないのでは、と自己の存在意義という葛藤を抱えながら戦闘に入るところが、もう脚本の良さと役者の力量ですよね!!

幕末組の明確なストーリーとは全く別軸で、物語全体のテーマを引っ張らなければならない唯一のキャラクターであり、下手を打つと陳腐になってしまうこのテーマを任せられるのは、実力を認められているこそでしょう。さすがブロードウェイ。

 

 それぞれの殺陣のシーンのあとに、敵にトドメを刺さないむっちゃんに対して、兼さんは激怒。そりゃあ怒りますよね。

 

知らず知らずの内に時間遡行軍を率いることになっていた土方歳三。それを見て、「敵は土方歳三を生かして歴史を変えるつもりだ」とピンと来る兼さん。

ミュの兼さんは歌詞だけ聞いてると、「たまには頭使ってさ」などと単細胞で脳筋みたいに描かれているけど、なんだよ賢いじゃん!!活劇の兼さんかのようです。

 

このあと色んなことがあって、行ってしまったきりの兼さんを心配した堀川が、敵地潜入を果たし、捕まってしまいます。(アホの子可愛い)

ここから先のフェチズムが凄い。

 

若干、堀川衣装の上着の丈が短いと思ってたんです。こういうことだったんですね。

千秋楽はゲネプロより乱れが大きかったのでは?!記憶の改ざんがあるかもしれませんが…

この堀川くんの上着丈は腹チラワンチャン衣装なのだということを理解しました。しかしここの堀川が可愛すぎて、磔にされているのに土方歳三と会えた嬉しさでひたすらニコニコしている。その様子を「おかしな奴」と気に入られ、解放されることになるのだから素晴らしい。

シャツがはだけて胸元が露わになるのも素晴らしい。フェチズムが過ぎる!笑

 

ちなみに千秋楽2部で訳もなく自ら腹チラをしていたのは、大和守もとい鳥越さんでした。


このあと、残りの5振が堀川を迎えにきます。正面から正々堂々と頭を下げるも、座らされ、敵ではないことを検分されます。

ここは名シーンですね!!

 

堂々と頭を下げる長曽袮。

片足を浮かせ銃に手をかけられるようにしているむっちゃん。

気を張りつめている兼さん。

そして、土方に「兄弟はいるか」と聞かれ「いいえ」と答え、その後肩を震わせ下を向く安定。

 

初見では沖田くんのことを示唆しているかと思ったのですが、『幕末天狼傳』で安定扮する奥沢くんが沖田くんと似ているという描写はなかったので、これは単純に土方さんが奥沢のことを思い出して「死んでいった仲間に似ている」と言っていたわけですね。泣ける。

このシーンだけは巴さんのことを見ていなかった…

 

なんやかんやあって、土方歳三に気に入られた6振は宴会に招待され、かっぽれかっぽれ〜!!むっちゃんによる土佐かっぽれ、土方長曽袮で通常かっぽれ。

ここは進行役安定で、誰かが一気飲みするという日替わりコーナー。

 

今回のセットは中央に円形の岩場が組まれていて、そこがグルグルと回るような設計でした。演出にも多様されていて、立体構造が物語の深みを増していたのではないでしょう。宴会シーンでも活用されていた印象。

宴会終わりで体育座りで眠る堀川とペンギンみたいにコロンと寝る安定が可愛すぎか。

土方配下の時間遡行軍3振も、戸惑いながらも勧められるままに酒を飲んだり酔っ払ったりと段々と人間らしい振る舞いが板についてくる様子で、ストーリー展開的に土方歳三に肩入れをすると、この3振が非常に愛おしく感じるのもポイントですね。

 

途中で登場する榎本武揚。いやー藤田玲さんの存在感たるや!!得意の語学を活かすシーンもあり、土方さんの「シルコクレ」には笑わせて貰いました。

幕臣たちのために新しい日本を北海道に建国しようとした、悲しき天才。土方さんとのコンビは素晴らしかった。北海道に渡る時に歌う「to the north〜北へ〜」は余りにも朗々と歌い上げるので、ディズニー映画が始まったか?!と錯覚するほど。

 

土方歳三榎本武揚の夢に己の思いを託して、生き方を決めます。いよいよかつての主を殺さなければならないと葛藤を深め、いてもたってもいられずに土方歳三の元へと忍び込んできた兼さんにも、生き方は決めたかと問いかけます。

 

本当に有澤くん良い演技するようになったなぁと。ハイステも見ていたのですが、キャラも相まって正直全く印象に残らず…幕末天狼傳ではメインストーリーは虎徹兄弟。いや、でも良い演技してたんです!!けどもう一歩。今回はかなり印象が変わって、立ち居振る舞い全てに役が降りてたし、表現したい感情がきちんと舞台から客席に伝わってきました。泣きについては土方さんの力が大きいかもしれないけれど、責務と感情の間で揺さぶられる最後の葛藤を描き切ったのは本当素晴らしいの一言だと思いました。

 

そして土方殺害シーン。

ここ、観客の涙タンク搾り取りにかかっているでしょう!!!劇場では二バルセンターだったので、最期を看取ることが出来ませんでした。ライビュで見たらさぁ…土方さんたら振り返って手を大きく広げて、薄く微笑んでから撃たれるのね。むっちゃんが銃を構えてからの、この二人の芝居はずるい。会場にすすり泣きの音が充満していました。

舞台上と右通路の二箇所で繰り広げられるこのシーン。劇場観劇1度では二人の演技を補完することが出来ないのは、演出の妙と受け取るべきなんだろうか??本当に最後のシーンの分かりやすい泣かせ演出で本当に泣かせてきたんだから、この舞台は本物だと思います。←

 

 本当はもっと書きたいことはいっぱいあるし、最後の時間遡行軍との戦いでの巴さんのラスボス感とか本当に特筆すべい点なんだけど、既に7500文字で収拾が付かないので一度締めたいと思います。


もうこの座組でのお芝居を見ることは演目的にないと思うと本当に幕末ロスだし悲しみしかないけれど、こういう作品に出会えて情熱を呼び起こさせて貰ったということ、本当に感謝します。